幼馴染は私を囲いたい!【菱水シリーズ②】
ブラウスのボタンをはずしたところで我に返った。

「ほっ、本当にやめて!なにしてるのよ!」

止めても逢生はブラウスをはぎとり、それを床に捨てた。
し、下着姿なんですけどー!

「あいつの匂いがするとムカつく」

「だからって、き、キスまでしてっ!脱がせなくてもいいでしょ!」

最低よっと言いかけてやめた。
逢生の悔しそうな顔―――なにその顔。
初めて見た。
今まで一度も私は逢生のそんな顔を見たことがなかった。
なにに対しても関心の薄い逢生が―――悔しがるなんて。
その顔を見た瞬間、自分の中でざわりと心が乱れた。
なんなの。
―――その顔、たまらない。
もっと見せて欲しいなんて。
逢生の顔を両手で包みこみ、キスをした。
ふっと逢生は嬉しそうに笑って自分の体を寄せる。
逢生は胸に顔を埋め、赤い痕を残す。
それだけじゃなく、首や鎖骨にまで。
さすがにその赤い痕を目にして我に返った。

「ひ、ひえっ!なんてことするのよっ」

「自分で誘っておいてそれはない」

逢生の顔が悔しそうに歪んだ顔に煽られたなんて言えない。
考えていると、数か所また増やされていた。

「これくらいでいいか」
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