幼馴染は私を囲いたい!【菱水シリーズ②】
逢生は私を絶対に捨てたりなんか―――しないわよね?
なんだか、梶井さんといるせいか、気持ちが不安定になってしまう。
逢生のことばかり考えてない?

「コースが終わったら、向こうの部屋でお茶がでる。食後のお茶を飲んだら帰してあげるよ」

梶井さんは私に言われたことを気にしたのか、笑顔が前よりもこわばって見えた。
案内された隣の部屋にはソファー席になっていて、紅茶が用意され、銀の皿に小さな焼き菓子がのっていた。
横並びで座り、紅茶を口にする。

「不思議だな。奏花ちゃんに言われると心に響くんだよな。やっぱり奏花ちゃんが俺の特別だからか」

「だから、そういう思わせぶりなことをぽんぽんと言わないでくださいっ!」

「本気でも?」

梶井さんの艶っぽい声と目にドキッとした。
自分の色気をわかっているんだろうか。
気持ちが弱っている時にその声と目で迫られたら、なびかない女性はいない。
でもね。
私は今目の前の焼き菓子に集中してるから平気!
無敵よ、無敵!
梶井さんを無視して赤いチェリーがのった焼き菓子を口にした。
ブランデーがきいていてしっとりとしている。
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