幼馴染は私を囲いたい!【菱水シリーズ②】
恋愛感情じゃないって言われて私はどうして否定したくなったんだろう。
逢生は何も言わないけど、きっと私が誰と会っていたのか気づいてる。
それなのに聞かなかった。
―――どうして?
前みたいに怒ったりしないの?
逢生の顔から心のうちを読み取ることはできなかった。
自分の気持ちもわからないのに逢生の気持ちもわかるはずもなく。
チェロの深い音色を聴きながら目を閉じた。
安心する。
このまま眠ってしまいたい。
逢生が私のそばからいなくなったら、私はきっと泣くだろう。
だって、二度とこの音をそばで聴けなくなるんだから。
それくらい逢生の音は私にとって心地いいものだった。

「奏花。風邪ひくよ」

眠りかけた私を逢生が揺さぶった。

「うん―――」

逢生の顔が近くにあって、ボウッとした頭で『キスするのかな?』と思っていた。
逢生はクラシック界のプリンスって呼ばれくらいに顔は整っている。
まつげもながくて、小さい時は女の子みたいだった。
私より可愛かったよね。
でも、逢生は私のほうが可愛いなんて言うから、恥ずかしかった。
だから、フリルがついたワンピースや女の子らしい色の物は着なくなった。
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