幼馴染は私を囲いたい!【菱水シリーズ②】
「う、ううん。いいの。ちょっといいなーとは思ったけど、恋愛感情はなかったし」

好きだと言われて弘部君だって悪い気はしなかったのだろう。
寿実はため息をついた。

「恋愛感情ね。ねぇ、奏花。恋愛感情って何だと思う?」

「ドキドキしてキュンッてなるかんじ?さすがに私もわかるわよー!」

馬鹿にしてもらっちゃ困るわよ。
私もそこまで恋愛に疎いわけじゃない―――と思う。

「それもあるけど、また別の感情もあると思うわよ」

「そうなの!?」

「この人といると安心する。一緒にいるだけでいい。そういう穏やかな感情もあるんじゃない?それって恋より愛よね」

「愛……」

『この人といると安心する』と言われて思い浮かぶのはただ一人だった。
私は逢生のこと―――愛してるってこと?
えっ、ええええー!!
それが恋でなく愛ときた?
恋を通りすぎていた?
そ、そうかも?

「いつになったら気づくのかと思っていたけど。逢生君が不憫すぎて……」

「だ、だって家族愛的なものだとばっかり」

「それも一つのかたちじゃない。自分の気持ちを確かめるのは案外簡単よ?」

「どうすればいいですか?先生っ!」
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