幼馴染は私を囲いたい!【菱水シリーズ②】
そう言われて気づいた。
私がいつも心の中で梶井さんと逢生を比べていたことを。
答えは出ている。
私が一緒にいたいと思っていて、失いたくない相手は一人。
―――逢生だけ。
「あらー?奏花ってば、どうしたのー?ずいぶん急いで帰るのねー」
「ぐっ……いいでしょ。別に。今日は金曜日だし」
書類を横に追いやり、お先にっと寿実に言って廊下に出た。
今日は早く帰って逢生の好きなものをつくってあげよう。
そして、仲直りをする。
そう思っていたのに―――
「梶井さん……」
フロアを出た先の廊下に梶井さんが立っていた。
そういえば、打ち合わせだとホワイトボードに書いてあったのを思い出した。
私に関係のない仕事だったから、すっかり忘れていた。
「奏花ちゃんに会えるかなって思っていたけど、ちょうどよかった」
「すみません。今日は私、早く帰りたくて」
「俺と話すのも嫌?」
「そうじゃないんです。自分の気持ちがわかったから」
その言葉に梶井さんが眉をひそめた。
「へぇ。でももう遅いんじゃないかな」
夕方の赤い色が梶井さんの顔を照らす。
「え?」
私がいつも心の中で梶井さんと逢生を比べていたことを。
答えは出ている。
私が一緒にいたいと思っていて、失いたくない相手は一人。
―――逢生だけ。
「あらー?奏花ってば、どうしたのー?ずいぶん急いで帰るのねー」
「ぐっ……いいでしょ。別に。今日は金曜日だし」
書類を横に追いやり、お先にっと寿実に言って廊下に出た。
今日は早く帰って逢生の好きなものをつくってあげよう。
そして、仲直りをする。
そう思っていたのに―――
「梶井さん……」
フロアを出た先の廊下に梶井さんが立っていた。
そういえば、打ち合わせだとホワイトボードに書いてあったのを思い出した。
私に関係のない仕事だったから、すっかり忘れていた。
「奏花ちゃんに会えるかなって思っていたけど、ちょうどよかった」
「すみません。今日は私、早く帰りたくて」
「俺と話すのも嫌?」
「そうじゃないんです。自分の気持ちがわかったから」
その言葉に梶井さんが眉をひそめた。
「へぇ。でももう遅いんじゃないかな」
夕方の赤い色が梶井さんの顔を照らす。
「え?」