幼馴染は私を囲いたい!【菱水シリーズ②】
素直ねと思って梶井さんを見ると顔色がよくないくせにニコニコと笑っていた。
「母さんが風邪を引いた俺に一度だけ作ってくれたのはうどんだったなー」
「一度だけって」
「オシャレで美人だったけど、家事が苦手な人だった」
なにもない部屋にひとつだけ写真立てが置いてあった。
すごく綺麗な女の人と笑っていない男の子。
女の人は雑誌で見るような完璧なボディラインとメイクで満面の笑み。
そのちぐはぐな二人の写真に違和感を感じていた。
梶井さんは私に話したくないこともあると思うから、なにも聞けない。
「気づいたかもしれないけど」
同じように梶井さんも写真を眺めていた。
「俺は母親が好きだけど好きじゃなかった」
「梶井さん……」
「恋人を作るのはいいけど、俺を一人にするから。一緒にいてくれたのは体調が悪い時だけ」
「……梶井さんなら、一緒にいたいって思ってくれる人はたくさんいますよ」
「誰でもいいわけじゃないよ」
「それはそうですけど」
出来上がったうどんを入れる丼もなくて、鍋敷きをリビングのローテーブルにひいてから鍋をのせた。
「母さんが風邪を引いた俺に一度だけ作ってくれたのはうどんだったなー」
「一度だけって」
「オシャレで美人だったけど、家事が苦手な人だった」
なにもない部屋にひとつだけ写真立てが置いてあった。
すごく綺麗な女の人と笑っていない男の子。
女の人は雑誌で見るような完璧なボディラインとメイクで満面の笑み。
そのちぐはぐな二人の写真に違和感を感じていた。
梶井さんは私に話したくないこともあると思うから、なにも聞けない。
「気づいたかもしれないけど」
同じように梶井さんも写真を眺めていた。
「俺は母親が好きだけど好きじゃなかった」
「梶井さん……」
「恋人を作るのはいいけど、俺を一人にするから。一緒にいてくれたのは体調が悪い時だけ」
「……梶井さんなら、一緒にいたいって思ってくれる人はたくさんいますよ」
「誰でもいいわけじゃないよ」
「それはそうですけど」
出来上がったうどんを入れる丼もなくて、鍋敷きをリビングのローテーブルにひいてから鍋をのせた。