幼馴染は私を囲いたい!【菱水シリーズ②】
俳優さんみたいで通り過ぎる女の人がちらちらと盗み見てしまうくらい。
自信に満ち溢れているってこういうことを言うんだろう。
「深月が一緒に来るかと思った」
「逢生は待ってるって言ってました」
「待つことができるんだな」
「一応は」
我慢できなくて、ここまでやってくるのはわかってる。
だって、逢生だし。
それを梶井さんもわかってる。
「奏花ちゃん。俺と一緒にこない?」
「行きません」
「そっか」
私の答えをわかっていて梶井さんは聞いてくる。
余裕の笑み。
やっぱり大人だな……
私の答えもわかって言っている。
いつか逢生もこんなふうに落ち着いて―――
「数分か」
「え?」
振り返ると逢生がそっと物陰からこちらを伺っている。
なにしてるの、逢生は……
心配性の犬かな?
「すこしはマテしろよ」
逢生の姿を見た梶井さんはそう言って笑った。
「奏花ちゃん、餞別をもらえる?」
「え?餞別?」
梶井さんは私の腕を強くつかんで引き寄せると頬にキスをした。
「梶井さん!?」
「……!」
逢生は走ってくると、バッと私と梶井さんの前に立ち塞がった。
「梶井!」
自信に満ち溢れているってこういうことを言うんだろう。
「深月が一緒に来るかと思った」
「逢生は待ってるって言ってました」
「待つことができるんだな」
「一応は」
我慢できなくて、ここまでやってくるのはわかってる。
だって、逢生だし。
それを梶井さんもわかってる。
「奏花ちゃん。俺と一緒にこない?」
「行きません」
「そっか」
私の答えをわかっていて梶井さんは聞いてくる。
余裕の笑み。
やっぱり大人だな……
私の答えもわかって言っている。
いつか逢生もこんなふうに落ち着いて―――
「数分か」
「え?」
振り返ると逢生がそっと物陰からこちらを伺っている。
なにしてるの、逢生は……
心配性の犬かな?
「すこしはマテしろよ」
逢生の姿を見た梶井さんはそう言って笑った。
「奏花ちゃん、餞別をもらえる?」
「え?餞別?」
梶井さんは私の腕を強くつかんで引き寄せると頬にキスをした。
「梶井さん!?」
「……!」
逢生は走ってくると、バッと私と梶井さんの前に立ち塞がった。
「梶井!」