幼馴染は私を囲いたい!【菱水シリーズ②】
「CDとグッズが欲しいからロビーまで付き合って!」

「は!?いらないでしょ!まだ聴いてないのに買うつもり?なんてチョロい女よ!」

寿実はわかってないわねぇとでもいうような顔で私を見た。
なにその顔。

「帰りになったら行列か売り切れよ。行くわよ。奏花!」

どうだか。
そんな人気あるわけないでしょ。
やれやれと思いながら、寿実と一緒に一階ロビーへと向かった。

「うわぁ……」

すでに行列。
会計待ちの人がずらりと並んでいた。

「どれ買うの?」

「CDとフォトブック!」

稼いでるわね……逢生……
ふうっとため息をついた瞬間、明るい声がした。

「あれ!?もしかして渓内(たにうち)さんじゃないですか?」

私にそう声をかけたのは飲み会にいた弘部(ひろべ)君だった。
弘部君は列の整理をする順路のテープを片付けている最中らしく黄色のテープを短くしていた。

「弘部君じゃない。仕事?」

「そうです。あ、もしかして渓内さんは彼氏の演奏を聴きにきたんですか?」

「彼氏!?」

またそれ?そのパターンは何回目?

「違うんですか?」

「よく間違われるんだけど、ただの幼馴染みなの」
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