幼馴染は私を囲いたい!【菱水シリーズ②】
それと同時にばさっと奥のカーテンからカジュアルな服に着替えた逢生が飛び出してきた。
いつもの気が抜けきった逢生だった。

「奏花、きてくれた―――」

逢生が私に近寄ろうとした瞬間、楽屋のドアが激しい音をたてて、バアーンッと開いた。

「お疲れさまー!三人ともすっごく素敵だったわ!」

長い黒髪、キリッとした顔立ち、身長が高くスタイルも抜群にいい女性が入ってきた。
脚が細いから、高いヒールとミニのタイトスカートがよく似合っている。

深月(みづき)の愛の挨拶には驚いたわ。あんな華やかな音がでるんじゃない」

体をぴったりと寄せるように逢生のそばに近寄った。
そして、よくできましたというように抱き締めた。
な、なにー!?
驚きすぎて声がでない。

桑地(くわち)。離れて」

「えー?どうして?留学先ではそんなこと言わなかったじゃない?それともなに?私のこと嫌いになった?」

「桑地は同級生だって思ってる」

逢生がそう言っても桑地さんは抱き締めた腕をほどこうとはせず、みかねた渋木さんが近寄って桑地さんの手から花束を奪った。

「桑地。花束を持ってきたならちゃんと渡せ。花が散る」
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