幼馴染は私を囲いたい!【菱水シリーズ②】
「わかってるわよー。渋木は真面目ね」

渋木さんは桑地さんをにらみつけた。
綺麗な顔をしているから迫力がある。

「ここは日本だ。あるていどの距離はとってもらわないと困る。勘違いされる」

「はいはい。口うるさいわね」

そこまで言うと桑地さんは私に気づいたらしく、頭のてっぺんから爪先までじろじろと見つめてきた。

「どなた?ファン?」

「奏花だよ。俺の一番大事な人」

「幼馴染みです」

すかさず、私がそう言うと逢生はむうっとした顔で私を見た。
なによ、その顔は。
事実でしょうが。
そうやって脚色するから間違われるんだからねっ!

「ああ、あなたがそうなの」

冷たい目を向けられた。
これまた、わかりやすい敵意ね。

「私は桑地恵加(めぐか)よ。菱水(ひしみず)音大附属高校から留学先までずっと深月と一緒にやってきたピアニストよ。ねっ?深月?」

「同じ学校っていうだけ」

ふっと陣川(じんかわ)さんが鼻先で笑った。

「桑地は相変わらずだなー。逢生を追いかけて同じ音楽院にきた時はさすがにそこまでやっちゃう?って思ったけど」
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