【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
ローズマリーが花を愛でるかと思いきや、蜜の味の説明を始めたことにリオネルはただただ驚いている。
ここまで来る旅路の中でお世話になった花たちの姿もある。
彼らのおかげでローズマリーは生きながらえることができた。
そう思うと感慨深いものがあった。


「え……?」


ローズマリーの隣で、なぜかリオネルは唖然として動きを止めた。
そういえばクリストフやミシュリーヌにも『普通の感性じゃない』『淑女らしくない』と言われていた。
教会の人たちからも『食べ物のことばかり考えるのはやめなさい』と怒られていたことを思い出す。
主に会話が食べ物のことになってしまうため、散々バカにされた。
これ以上は話さない方がいいと自分の気持ちを押し込めるようになり、いつのまにか何も言わなくなったのだ。

(つい幸せな気分になって口が滑ってしまいました。気をつけなければいけません)

ローズマリーは自分の言葉が間違っていたのだろうと悟る。
その証拠に少し離れた場所で侍女たちや護衛の呆然とした表情を見ているではないか。
それから普通の女の子ならどういうのかを考えていた。


「とても素敵なお花ですね。綺麗です」


ローズマリーがそう言うと、リオネルはこちらをまっすぐ見て口を開く。
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