【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
王家は教会と手を組みローズマリーを取り戻すために動き出す。
もう生きている前提で動くしかないのだ。
クリストフもすぐに騎士を派遣して荷馬車がどこに向かい、ローズマリーが入った箱がどこに辿り着いたのか調べ始めた。

(一度はミシュリーヌという毒婦に騙されてしまったが……俺のことを心から愛しているローズマリーならば絶対に許してくれるはずだ。彼女が帰ってきたらたくさんの甘いデザートをやろう。次期王妃として扱ってやらねば……)

そう考えていたクリストフだったが、予想外のことが起こってしまう。
なんとバルガルド王国はかつてない大混乱となる。
魔法が使えなくなったことが広まり、何もできない貴族たちを見て、今までの不満をぶつけるように領民たちが暴徒化した。

農具や武器を持って、貴族たちの屋敷を襲うところが絶えなかった。
今まで魔法で対抗していた貴族たちに抗う術はない。
貴族出身の騎士たちも魔法がなくなり、剣の振り方を忘れてすっかり役に立たなくなってしまう。

(これほどまでに魔法が大きかったとは……!)

それほど魔法の力が大きかったのだと実感するのと同時に、貴族たちからは魔法樹の恩恵が何故なくなってしまったのかと怒りが募っていく。
王家への攻撃や助けを求める声は止まらない。
教会は王家のせいにして逃げるかもしれないという危機感。
悪循環は止まらずに、あんなにも平和だったバルガルド王国はローズマリーがいなくなったことをきっかけに崩れていく。
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