【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
「バルガルド王国ではそう呼ばれていましたけど、この子と国外に追放されました」
「バルガルド王国は何を考えているんだ!? 魔法樹と聖女を追い出すなんて……」
「やはりこの子は魔法樹なのですね……!」
ローズマリーがケラケラと笑う魔法樹な幼児を抱え上げた瞬間だった。
急に体から力が抜けていく。
膝がカクリと折れて、前に倒れ込みそうになってしまう。
ローズマリーが魔法樹の幼児を抱き込んで守りながら衝撃に備えた時だった。
「──危ないっ!」
リオネルがこちらに向かって走ってくるのが視界の端に見えた。
オレンジ色の瞳がやつれているローズマリーの顔を映し出しているではないか。
体を打ちつける痛みはない。
「大丈夫かい?」
どうやらリオネルがローズマリーが倒れる前に支えてくれたようだ。
彼がまっすぐにローズマリーを見つめている。
(キラキラしたオレンジ色の実……みずみずしい感じがします。とても美味しそうです)
リオネルの瞳が木の実に見えたローズマリーは手を伸ばした。
膝の上では幼児がキャッキャとはしゃいでいるため、体が上下に揺れていて、増していく果実感。