【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
「あなたは……」
『ローズマリー、ありがとう』
「……!」
『ローズマリーをいじめた奴、全員きらい。ここはもう安全だよ』
にっこりと笑った幼児はローズマリーを守るようにギュッと抱きしめる。
ローズマリーも幼児を包み込むように抱きしめた。
この子が魔法樹の赤ん坊だとすぐに理解できた。
「たしかにあの場所よりは安全ですね」
牢屋だが、バルガルド王国よりは安全だろう。
ローズマリーは微笑みながらアイスグリーンの髪を撫でていると男の子が顔を上げる。
『ボクはアイビー、助けてくれてありがとう』
「アイビーくん……?」
幼児がペラペラと言葉を話しているのには驚いてしまうが、今はそんなことはどうでもよかった。
アイビーが元気で目の前にいてくれる、それだけでいい。
クロムとの約束を守れたような気がして嬉しかった。
『ローズマリー、お願い。助けてほしい』
「……?」
『オパール、苦しんでる』
「オパール……?」
ローズマリーは首を傾げる。だが、アイビーの視線の先を辿る。
ベッドには彼と同じくらいの年齢の女児が眠っている。
アイビーよりも髪の色が薄いく、腰までの長さの髪を三つ編みが印象的だ。
顔色が悪く痩せ細っており、今にも消えてしまいそうだ。