【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
リオネルはその箱に興味を引かれて持ち帰ることにした。
父に見せるとリオネルと同じように『不思議な感覚だ』と言った。
悪いものでも危険でもない。花や蔦が絡まっていたことも気になる点だ。
魔法によって閉じ込められているものを確かめなければと、リオネルは自身の魔法を使い、片方を押さえながら無理やり蓋を開いた。
相手よりも力が強ければ打ち破ることができる。
国をまとめる王族という立場だからこそ、誰よりも強くなければと思っていたが、どうやらその力が役に立ったようだ。
『──このクソ野郎どもっ! ぶっ潰してやるからな』
箱から飛び出したのは少女だった。
聞くに耐えない暴言を吐き驚きはしたがローズマリーが聖女だと気づいて驚愕した。
彼女はバルガルド王国の王太子クリストフに国外追放を宣言され箱詰めにされたのだという。
それから彼女が聖女とわかるきっかけになった魔法樹についてもだ。
まさかバルガルド王国にも人の子どもの形を模した魔法樹がいるとは思わずに驚きの連続だった。
カールナルド王国の魔法樹は赤子のままだったが、聖女の影響なのか幼児ほどに成長している。
ローズマリーはフラフラしつつも魔法樹に力を与えていた。
薄緑色の光が幼児を包み込んでいる。
もっとも魔法樹を助けるために適していると言われる力がある。
それが緑の力と呼ばれる植物に影響を与える魔法。
それ故に〝緑の聖女〟と呼ばれることもある。
父に見せるとリオネルと同じように『不思議な感覚だ』と言った。
悪いものでも危険でもない。花や蔦が絡まっていたことも気になる点だ。
魔法によって閉じ込められているものを確かめなければと、リオネルは自身の魔法を使い、片方を押さえながら無理やり蓋を開いた。
相手よりも力が強ければ打ち破ることができる。
国をまとめる王族という立場だからこそ、誰よりも強くなければと思っていたが、どうやらその力が役に立ったようだ。
『──このクソ野郎どもっ! ぶっ潰してやるからな』
箱から飛び出したのは少女だった。
聞くに耐えない暴言を吐き驚きはしたがローズマリーが聖女だと気づいて驚愕した。
彼女はバルガルド王国の王太子クリストフに国外追放を宣言され箱詰めにされたのだという。
それから彼女が聖女とわかるきっかけになった魔法樹についてもだ。
まさかバルガルド王国にも人の子どもの形を模した魔法樹がいるとは思わずに驚きの連続だった。
カールナルド王国の魔法樹は赤子のままだったが、聖女の影響なのか幼児ほどに成長している。
ローズマリーはフラフラしつつも魔法樹に力を与えていた。
薄緑色の光が幼児を包み込んでいる。
もっとも魔法樹を助けるために適していると言われる力がある。
それが緑の力と呼ばれる植物に影響を与える魔法。
それ故に〝緑の聖女〟と呼ばれることもある。