未亡人ママはスパダリ義兄の本気の愛に気付かない
龍は勧められてもいないのに、椿たちのシートに座りあぐらをかいた。
「龍。来てくれたの?!」
翔真の目が、ぱっと輝いた。
「ああ。もちろんだ。約束したもんな?」
「どうしてここが・・・?」
「この前、翔真君が教えてくれた。今度の日曜日に運動会があるって。」
「え?!翔ちゃんが?!」
「マンションの前で翔真君がかけっこの練習をしていたのを見かけてさ。だから俺が早く走るコツを伝授してやった。な?翔真?」
「うん。腕を大きく振るんだよね?僕、一等賞になった。」
「そうか。すごいぞ!」
龍が豪快にくしゃくしゃと翔真の頭を撫でた。
「龍さんて体育会系の人だったんだ。」
椿の声に、龍はチッチッと人差し指を横に振りながら、自慢げに言った。
「いや、俺は文化系の部活だったが、運動神経が良かったからたまにサッカー部の助っ人として駆り出されてたんだ。だから足は速い。」