寝不足でお見合いしたら、結婚が決まりました
慶紀のマンションは想像していた高層マンションとは違った。
そこまで大きくはないが、マンションの前に緑がたっぷりあって、隣に公園があって。
シックで落ち着いた雰囲気の外観だった。
地下の駐車場から出てきた二人は、なんとなく、前庭からマンションを見上げる。
「俺の部屋は五階だ。
高さがないから、そんなに眺めは良くないが。
あんまり高層階だと、なんかあったとき、飛び降りられないだろ?」
どうしよう。
私と似た発想の人だ……、と綾都は思う。
「でも、五階でも死にますよね」
「だから、あそこから、あの木に飛び移って、こっちのエントランスの屋根に飛んだらどうかと思うんだ」
「あっちになんか小さな建物があるじゃないですか。
あの上に飛んでもいいかもしれませんね」
「確かに」