寝不足でお見合いしたら、結婚が決まりました
「なに逃げてんのよっ」

 追ってくるからですよっ、と思いながら、なんとかとどまる。

「ほんとうに白神さんと結婚するのね」
「そうなんですかね?」

「……そうでもなきゃ、鍵渡さないでしょうよ」

 ああ、私が白神さんとお見合いしたかった……と彼女はうなだれる。

「なんかあの、すみません」

 こんなにすごく白神さんを好きな人がいるのに、私なんかが結婚してしまっていいのだろうかと、綾都は申し訳なく思う。

 すると、彼女は顔を上げ、
「じゃあ、譲ってくれるの?」
と言い出した。

「鍵をですか?」

「白神さんをよっ」
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