私のお世話がかり
◯大学 大教室 朝
双葉が振り向くと、よく知った顔の人がいた。
双葉「最上先輩!」
最上「こんにちは、双葉さん。双葉さんも同じ授業取ってたんだね。誰か友達と約束してる?」
双葉「いえ……」
最上「そう。じゃあ、隣来なよ」
最上は部長の前の席に座り、リュックを通路とは反対側に降ろして、座席をトントンたたいた。
双葉「……お、おじゃまします!」
おずおずと申し訳無さそうに腰を下ろす。異性と座っている人は他にもたくさんいるのに、なんだか気恥ずかしくて下を向いた。
双葉 (もーっ! 本当に良い人ー! こんな私と、一緒にいて恥ずかしくないのかな。迷惑だったりしないのかな)
初々しい双葉とは正反対に、最上は余裕たっぷりに、椅子に深く腰かけている。
部長「……」
部長はそんな彼をちょっと冷めた目で眺めているのだった。
最上は教科書やルーズリーフを取り出し、机の上に置いた。教科書……犯罪心理学の文字。双葉も彼に倣って双葉も取り出す
最上「この授業面白いよね。教職の必須授業と被ってるから、人数少なめでラッキーだね」
双葉「は、はい」
双葉はドキドキしながら答える。
双葉 (そういえば……サークルの人と、サークル以外で話すの初めてかも知れない)
双葉と話し終わると、最上は後ろを向き部長に話しかけた。
双葉 (大人っぽくて、カッコいいなぁ……。少ししか違わないのに、別世界の人みたい)
机に置かれた手は大きくて骨張りゴツゴツしていて、部長の手の甲とは違っている。高校の時の“男子”とは違う、“男の人”の雰囲気を見せつけられて、双葉は思わず凝視した。
◯大教室 最上と部長
部長「ほら、頼まれてたヤツ」
部長はスケッチブックをビリビリと破り、最上に手渡した。
最上「助かります、はもこ先輩」
部長「その名前で呼ぶなって言ってるじゃん。あんたのほうがあっちでは先輩なんだから、堂々としてもらわないと困るよ」
◯双葉と最上
近くの席の学生のはしゃぐ声がして、双葉はハッとして首を振る。
双葉 (だめだめ! こんなこと考えてたら、陰キャ中の陰キャになっちゃうわ。リア充になるって決めたんだから。話しかけるって決めたんだから)
しかし、慌てた双葉は腕をペンケースの中身をぶちまけてしまう。
双葉 (ぎゃーっ! )
双葉 (なんで、私はいつもこう……)
双葉は涙目になりながらシャーペンや蛍光ペンを拾った。
教室の人数が増えてきて、最上は黒板の横の時計を見上げた。先生が来るまであと五分弱である。
最上「双葉さん」
双葉「は、はい?」
最上「双葉さんに、話があるんだ」
最上は真剣な顔で双葉に告げた。
双葉が振り向くと、よく知った顔の人がいた。
双葉「最上先輩!」
最上「こんにちは、双葉さん。双葉さんも同じ授業取ってたんだね。誰か友達と約束してる?」
双葉「いえ……」
最上「そう。じゃあ、隣来なよ」
最上は部長の前の席に座り、リュックを通路とは反対側に降ろして、座席をトントンたたいた。
双葉「……お、おじゃまします!」
おずおずと申し訳無さそうに腰を下ろす。異性と座っている人は他にもたくさんいるのに、なんだか気恥ずかしくて下を向いた。
双葉 (もーっ! 本当に良い人ー! こんな私と、一緒にいて恥ずかしくないのかな。迷惑だったりしないのかな)
初々しい双葉とは正反対に、最上は余裕たっぷりに、椅子に深く腰かけている。
部長「……」
部長はそんな彼をちょっと冷めた目で眺めているのだった。
最上は教科書やルーズリーフを取り出し、机の上に置いた。教科書……犯罪心理学の文字。双葉も彼に倣って双葉も取り出す
最上「この授業面白いよね。教職の必須授業と被ってるから、人数少なめでラッキーだね」
双葉「は、はい」
双葉はドキドキしながら答える。
双葉 (そういえば……サークルの人と、サークル以外で話すの初めてかも知れない)
双葉と話し終わると、最上は後ろを向き部長に話しかけた。
双葉 (大人っぽくて、カッコいいなぁ……。少ししか違わないのに、別世界の人みたい)
机に置かれた手は大きくて骨張りゴツゴツしていて、部長の手の甲とは違っている。高校の時の“男子”とは違う、“男の人”の雰囲気を見せつけられて、双葉は思わず凝視した。
◯大教室 最上と部長
部長「ほら、頼まれてたヤツ」
部長はスケッチブックをビリビリと破り、最上に手渡した。
最上「助かります、はもこ先輩」
部長「その名前で呼ぶなって言ってるじゃん。あんたのほうがあっちでは先輩なんだから、堂々としてもらわないと困るよ」
◯双葉と最上
近くの席の学生のはしゃぐ声がして、双葉はハッとして首を振る。
双葉 (だめだめ! こんなこと考えてたら、陰キャ中の陰キャになっちゃうわ。リア充になるって決めたんだから。話しかけるって決めたんだから)
しかし、慌てた双葉は腕をペンケースの中身をぶちまけてしまう。
双葉 (ぎゃーっ! )
双葉 (なんで、私はいつもこう……)
双葉は涙目になりながらシャーペンや蛍光ペンを拾った。
教室の人数が増えてきて、最上は黒板の横の時計を見上げた。先生が来るまであと五分弱である。
最上「双葉さん」
双葉「は、はい?」
最上「双葉さんに、話があるんだ」
最上は真剣な顔で双葉に告げた。