私のお世話がかり
 ◯サークル部室 ミーティング中
 外は暗く、時々車が通り過ぎる音が聞こえる。

 双葉「ポーズしあうなんて、わ、私にはリア充すぎます……」
 最上「俺がいるってば」
 双葉「ひっ」
 最上は身体を双葉の方に向けた。
 最上「これはね、漫画描き……漫研的にもとーってもためになる合宿だから絶対行った方がいいよ」
 部長「いろんな人の骨を格合法的に触り放題……もちろん、みんな見てるから変なことにはならないから安心していいよ。ただちょーっと眠いだけというか」
 最上の押しの強さに加えて、部長までもハァハァ迫ってくる。
 双葉 「……っ!」
 双葉は作り笑顔を向けながら、手に汗を握った。(どうしようー! )
 
 ー時間経過ー
 ◯ーー(双葉)服を買う、自分の部屋で荷物を詰める、持ち物のプリントを読む
 ◯双葉の部屋 夜
 双葉 (みんなでお泊まりなんて、修学旅行でしかやったことない)(うまくやれるかな……)
 双葉はプリントを持ちながら、ベージュに黒いラインが入ったパジャマ姿で呟いた。

 ◯妄想 朝、ロッジの洗面台にて
 双葉の遅い歯磨きに、後ろは行列ができている。
 最上「さっさとして。後が詰まってるよ」
 最上は列の先頭で、歯ブラシセットを持ちながら冷たく言い放つ。

 ◯双葉の部屋
 双葉 (幻滅されたくない……)
 双葉はネガティブな妄想をして青ざめたが、すぐにそんな自分に気づき、首を横に振って頬をペシッと叩く。
 双葉「先輩はそんな人じゃない! 優しくて良い人!」
 双葉は自分に暗示をかけるように繰り返した。

 プリントのアップ
 旅のしおり、表紙はコテージの絵

 双葉「上手……」
 しおりを裏返すと、裏は子供向けキャラクターの絵が描いてある。 
 双葉 (部長が描いたのかな? )
 迷いの無い線で、うさぎのキャラクターと背景のロッジや森の木々が描かれている。
 双葉は期待に胸を膨らませた。
 双葉 (せっかく漫研に入ったんだし、絵も描けるようになるぞ! ) 
 胸元で控えめにガッツポーズした。

 ◯ーーそれぞれの様子
 部長(ジャージ姿)……自分の部屋で栄養ドリンク飲みながらタブレットで絵を描く
 湯本……自宅アパートで、大きな鏡の前でコス衣装合わせ
 宮内……夜の繁華街を彼女とデート
 最上……自宅アパートで、パソコンに向かってカタカタ

 ◯最上の部屋 深夜
 2DKのアパート。一室はふすまを閉め、もう一部屋に机と椅子、本棚を置いている。最上は椅子に深く腰かけ、机に置かれたパソコンを見ながら通話している。

 ?? 「あきよし先生は話はいいんですよ。話は。問題は絵です」
 通話相手の声に、ピクッと唇を揺らす最上。
 ?? 「いいですか。子どもたちは流行に敏感、それでいて秒で流行が移り変わります。つねにアンテナを張ってください。あなたの書く絵は女の子の色気が全く無いで」
 最上は通話をプツッと切り、ため息ついて椅子にもたれかかった。ギイ……と椅子がきしむ。最上の目には少しクマができている。
 時計を見ると、午前二時を指していた。
 最上「こんな時間か。少しは寝るか……」


 ◯千葉県田舎の駅
 駅舎には朝の光が差し込み、色とりどりのチューリップが咲いている。
 部長「双葉ちゃん、こっちー!」
 駅前のロータリーにみんなが集まっており、部長は双葉を見つけて手を振った。
 双葉「は、はい!」
 双葉は大きなリュックを背負い、小走りで駆け寄る。視線の先に、サークルメンバーが待っている。

 ーー(双葉のモノローグ)初めての合宿、何事もなく楽しめますように!
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