髪の毛の悩みなら公女様にお任せあれ!~ヘアスタイルから始まる領地改革

24. ルシアナ、軽くディスられる

 舞踏会まであと数日と迫ってきたところで、ルシアナの家族が王宮に到着した。報せを受けたルシアナは、客室へと向かっている。

「お父様、お母様、それからお姉様も! お変わりございませんか?」

 扉を開けると懐かしい顔ぶれが揃っていた。これまでずっと家から出たことなかったルシアナとしては、ほんの2ヶ月ちょっと会わなかっただけでも随分と久しぶりに感じられる。
 
「ああルシアナ、私たちは元気にしていたよ。お前も王宮で上手くやっていたかい?」
「もちろん。新しい魔道具の予約もたんまりと頂いております」
「うふふ、抜け目がないわね」

 しばし4人で笑いあってから、母が笑顔を収めて「ごめんなさいね」と謝ってきた。

「私ったら、すっかり貴女のパートナーの事を忘れていたわ。こんなに大事なことを忘れてしまうなんて、母親失格ね」
「そんなこと仰らないでください。わたくしが急に領地を離れることになって、お母様もいつも以上に忙しくなってしまったんですもの」

 ルシアナにパートナーがいないことは、一応母に手紙で伝えておいた。
 父のみならず、母や姉もルシアナが居なくなった穴を埋めようと、必死に領地運営を頑張ってくれていたのはわかっている。責める気など毛頭ない。

「それで、ベアトリス様が探してくださるとの事だったけれど、見つかったの?」
「はい。王宮の騎士団に所属している方を紹介して下さるそうですわ」

 一週間ほど前にベアトリスから、この人はどうか? と打診があった。もちろんルシアナに断る理由などなく、こんな急な話に付き合ってくれるだけでもありがたい。
  
「良かったわ。ベアトリス様に御礼をしに行かねばならないわね」
「それでは謁見出来るかどうかお伺いしてきますわ。長旅でお疲れでしょうから、まずはゆっくりとお休み下さい」
「すっかりベアトリス様の侍女仕事が板についているようで、母は安心しましたよ。それではお言葉に甘えて、お茶を頂きましょう」
「はい。それでは失礼致します」
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