髪の毛の悩みなら公女様にお任せあれ!~ヘアスタイルから始まる領地改革
王妃は椅子から立ち上がって、ケイリーの元へと駆け寄ってきた。
「あぁ……顔をよく見せてちょうだい。本当だわ。ケイリー、貴方なのね」
「まさか本当に……。お前、よくなったのか」
「お陰様で。両陛下には御心配と御迷惑をお掛けしました」
「それにしてもその髪型は……」
王妃がケイリーの頭に目を向けた。
もしかしたら蛮族のする頭だとか言うかもしれない。貴族や王族の中には、伝統を崩されることを酷く嫌う者が少なくない。
ルシアナの進める改革に、ケイリーが出来る手助けといえばこれしかない。
「いかがでしょう? 珍しい髪型に、両陛下も驚かれたのではありませんか?」
自分が出来る中でも、最上だと思う笑み浮かべてみせた。
ルシアナが側で「うわっ、でた! キラキラビーム」と小声で言っている。
ルシアナの為なら、見世物にでも何でもなってみせる。
「え……ええ、そうね……でも貴方にとてもよく似合っているわ」
ケイリーを生まれた時から知っている王妃でさえ、目を瞬かせるほどの破壊力。
このヘアスタイルが、ケイリーによく似合っていることが証明された。
「ルシアナが、僕が無理をせず、自分の魅力を引き出せるようにとカットしてくれました。彼女には感謝してもしきれません」
「そうだったの……。何があったのか、詳しいことは後で聞かせてちょうだい。まずはルシアナ、礼を言いましょう。ありがとう」
「ああ、後で十分な礼を致そう。サーマンよ、誠に良い娘を持ったな」
「身に余るお言葉にございます」
「それでは僕たちは、パーティーを楽しんでまいりますので。ルシアナ、行こう」
「ええ、失礼させていただきます」
国王夫妻への挨拶を終えたルシアナは、呆れたように声を上げた。
「自分の息子が分からないなんてことあるのかしら? 信じられませんわ」
「それほど君の腕がよかったってことじゃないか。両親が思いもよらない程に、僕の雰囲気をガラリと変えてくれたってことさ」
「まあ、そういうことにしておきますわ……あっ! お姉様!!」