髪の毛の悩みなら公女様にお任せあれ!~ヘアスタイルから始まる領地改革

「街へ出るのなら僕も一緒に行っていいかな? さっきは馬車の中から見ただけだから」
「先程着いたばかりでお疲れでしょうから、宜しければ後日ご案内しますが」
「いや、全然疲れてないよ。むしろ早く色んな所を見てまわりたくてウズウズしてるくらいさ」

 暗に「来てくれるな」と言ったつもりだったが通じなかったらしい。そんなウッキウキの瞳で見つめられてしまっては流石のルシアナも断りきれず、仕方なく首を縦に振った。

「分かりましたわ。という訳だから、護衛宜しくね」

 ルシアナの外出についてくる護衛騎士に声をかけると、「はっ!」と歯切れのいい返事が返ってきた。

「うわぉ! 公爵家の騎士もまた、すごい頭してるね。もしかしてこの人達もルシアナ嬢がカットしたの?」
「ええ、そうですわ」
「なんて言うか、先進的だね」
「お褒めの言葉だと受け取っておきますわ」
「もちろん」

 こうもにこにこと屈託のない笑顔を返されると、ルシアナも言い返す気にはなれず、言葉通りに受け取っておくことにした。

 煌びやかな格好をした美少年が街を歩いたらとんでもない事になるので、簡素な服装に、ちょっと暑いけどローブのフードを被ってもらってキラキラオーラを物理的に抑えてもらい、いざ、出発!
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