髪の毛の悩みなら公女様にお任せあれ!~ヘアスタイルから始まる領地改革
蜂蜜とりんご酢の入った湯で髪の毛を浸し、更にぬるま湯ですすぐと、乾いた布で丁寧に髪の毛を拭く。
「濡れた状態の髪の毛はダメージを受けやすい状態にあるから、絶対にゴシゴシと擦ってはダメ。こうやって押さえるようにして水気を取っていくの。ある程度拭けたら……いよいよこれの出番よ!」
ジャジャーンっ! と箱から取りだしたのは、今日届いたばかりのドライヤー試作品第一号。
「これが前にルシアナが言っていたドライヤーと言う魔道具ね」
「ここのスイッチを押すと風が出てくるのです。早速使って乾かしてみましょう」
ルシアナがスイッチを押すと、温かい風がぶぉぉぉ〜っと吹き出してきた。
動力源が魔石なのでコードがなく使いやすいが、使っている材料が金属と木なのでかなり重い。ルシアナがまだ子供だということを差し引いても重たすぎるので、これはもっと改良してもらおう。
それからデザインも無骨すぎる。もっとスタイリッシュにして欲しい。もしくは装飾して思いっきりエレガントなデザインにしてもらうとか?
あぁ、夢が膨らむーっ!!
ルシアナがドライヤーの改良点を考えている内に、ベロニカの髪の毛を乾かし終えた。
「よしっ、終わりましたわ」
「えっ? もう乾いたの?」
「すごいですね、こんなにあっという間に乾いてしまうなんて」
「どうです? ドライヤー、良いでしょう?」
ルシアナがドヤ顔で尋ねると、ベロニカもダフネもブンブンと縦に首を振った。
「正直、わざわざ風で乾かさなくてもなんて思っていたけど、生乾きのあのモワンとする感じがなくていいわ。それに急な来賓が来た時の準備も早く済むし、冬は寒くないもの」
「ルシアナお嬢様、私もドライヤー欲しいです! おいくらで手に入るのですか?!」
「うふふっ、落ち着いて」
勢いよく迫ってきたダフネを「まあまあ」と落ち着かせて、ニヤリと笑ってみせる。
「うちで働いている人達に使ってもらって、どんどん改良していきますわ。新たな魔道具として売りに出すのよ。それからりんご酢もね」