髪の毛の悩みなら公女様にお任せあれ!~ヘアスタイルから始まる領地改革

「14ですか。私より7才もお若いのですね。歳の割にしっかりしてらっしゃる。さすがは次期国王陛下になられるお方だ」
「他に兄弟が2人いるんだ。まだ僕が王太子になるとは決まっていない。軽々しい発言はしないで欲しいね」
「はは、これは失礼。私がケイリー殿下推しだと言うことを言いたかっただけですよ」
「そう、それは心強い」

 互いににこやかな顔で接しているけれど、腹の中を探っているのだろう。空気がピリピリとしている。

「こんな場所で立ち話もなんですから、お茶でも飲みながらゆっくりとお話しなさってはいかがでしょうか」
「ああ、是非そうしよう。殿下、こちらへどうぞ」

 ウィンストンはサッとベロニカよりも前に出て、ケイリーを応接室へと案内しはじめた。
 まだ婚約式も済ませてないのに、この家の主人かのような振る舞いにカチンときたルシアナだったが、ここはひとつ息をついて冷静に。

「それではケイリー様、ウィンストン様、ごゆっくり。わたくしはこれで失礼致します」

 ベロニカお姉様はともかく、ケイリーとウィンストンと一緒にお茶なんて冗談じゃない。血圧が上がり過ぎて倒れるかもしれないのでお暇しようとすると、ベロニカに呼び止められた。

「ル、ルシアナ! あなたも一緒にお茶しましょう? ねっ!?」

 ベロニカの顔面には「お願い、ひとりにしないで」と書いてある。更に要らないセリフがケイリーの口からも。

「そうだよ。今帰ってきたばかりなら喉が渇いているんじゃない? 折角だから君も来たらいいよ」

 ええーー。ウィンストンの顔から察するに、「お前は来んじゃねぇ」とでも言いたそうなのに。なんで巻き込んでくるの。

「未婚の男性が二人いる空間に、未婚の女性が一人はまずいだろう? 君も来たら2対2だ」

 侍女達がいればなんの問題もないじゃない。と言いたかったが、ケイリーに腕をとられて半ば強制的に応接室へと連れ去られてしまった。 
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