髪の毛の悩みなら公女様にお任せあれ!~ヘアスタイルから始まる領地改革
 ケイリーとウィンストンとがお喋りしているのを片耳で聴きながら、ちびちびと紅茶を口にする。

 早く終わんないかなぁ。

 ベロニカの隣は当然ウィンストン。そして空いたケイリーの隣は必然的にルシアナの席となった。

 ベロニカは男たちの会話には入っていけず、微妙な笑みを浮かべながらウィンストンの横で小さく相槌をうっている。
 婚約前からこれなのね……。この構図がウィンストンかベロニカ、どちらかが死ぬまで続くのかと思うとため息をつかずにはいられない。

 ルシアナは思った事を言うし、やりたい事をやってしまうタチだが、ベロニカはその真逆の性格だ。奥ゆかしいと言えばそうなのだけれど……。
 ベロニカの旦那様になる人が、思いやりに溢れる優しい男性ならばなんの問題もない。きっと良い夫婦関係を築けるだろう。
 けれどベロニカの夫となる人はこの、ウィンストン・バルドーだ。
 ベロニカが一生をウィンストンの顔色を伺い、怯えながら暮らしていくことになるんじゃないかと心配でならない。

 サクサクとクッキーを齧って食べるルシアナの斜め前では、ウィンストンが時々ケイリーを煽てながら、自慢話をベラベラと喋り続けている。
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