髪の毛の悩みなら公女様にお任せあれ!~ヘアスタイルから始まる領地改革
 
「あーもー、お父様はいつからそんなへっぴり腰の弱虫になってしまいましたの? 男ならドーンと構えて掛かってこい! くらいでいて欲しいものですわ」
「ルシアナ! どうやら私はお前を甘やかし過ぎたようだ。今日という今日は……!」

 わなわなと唇を震わせる父に、祖父が歩み寄り肩をポンと叩いた。

「儂が責任を取る」
「え……? 父上?」
「儂が責任を取ると言ったんだ。ルシアナの好きにさせてやりなさい」
「ですがっ……!」
「自分の責務を放り投げて息子に丸投げした身。こんなことを言うのは筋違いかもしれんが……。でも儂はルシアナに賭けてみたいし、ルシアナが思い描く未来を見てみたい。サーマンよ、娘を信じてみてやったらどうだ? 」
「父上……」

 祖父の言葉にしばらく考え込んでいた父だったが、とうとう口から長い息を吐き出して「分かった」と呟いた。

「お前の好きにしてみなさい」
「お父様……! 分かってもらえて嬉しいです! 絶対に後悔なんてさせませんわ!!」

 父の方へ駆け寄り、ギューッと抱きついた。
 大体のことはハグすれば許して貰える。
 子供の武器をしっかりと理解しているルシアナは、誰にも見えないようペロリと舌を出した。

「それにね、お父様。そんなに心配なさらなくたって大丈夫! だって今回の事業が失敗に終わったとしても、ウィンストン様がカジノをドーンと建ててルミナリアを再建してくださるんですもの。尻拭いはぜーんぶウィンストン様がして下さるのですから、失敗を恐れる必要なんてないですわ!」 

 ポンっと自分の胸を叩いたルシアナに、祖父も父も苦笑いをして互いの顔を見合わせた。

「まったく、ルシアナには敵わないよ」
「はっ、はっ、はっ! 我が孫ながら、強かに育ってくれたものだ。ルシアナよ、思いっきりやってみなさい」
「はい、ありがとうございます。おじい様、お父様」

 さあ、ルミナリアの再興に向けて頑張りますわよ! 
 
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