髪の毛の悩みなら公女様にお任せあれ!~ヘアスタイルから始まる領地改革

16. ルシアナ、自身の可愛さを堪能してもらう

 アップルシードオイル。
 その名の通り、りんごの種子から採った油だ。
 試作して貰ったアップルシードオイルの入った小瓶を前にして、ルシアナは頭を抱えて悩んでいる。

「どう考えても、量が少ないわよね」

 加工所を見学した際に、廃棄されるりんごの種からオイルを取り出すことを思いついたのは良いものの、1粒から採取できる量は極わずかだ。あちこちの加工所から種をかき集めたとしても、ルシアナが想定するヘアオイルとして使うには量が心許ない。
 貴重なものほど高値で取引されるものだけど、でもルシアナが望んでいるのは、ある程度の普及だ。貴族や上流階級の人達には広まって欲しいので、ある程度の量は作らなければ……。

「馬油は好き嫌いが分かれるし、やっぱり、オリーブオイルに混ぜるしかないのかしら」

 馬油はスキンケアやヘア用のオイルとして使われるが、獣の油を塗るのは嫌! と考える人もいて、特に女性にその傾向は強い。
 一方でオリーブオイルは万人受けする。
 オリーブオイルをベースのオイルとして使うのが現状考えられるベストな方法だが、ルシアナの心は猛反対している。

「悔しい……。悔しいですわ! オリーブになんて頼らなきゃいけないなんて!!」

 オリーブを使った製品は国内だけと言わず、今や海を渡り世界に輸出されているらしい。オリーブとぶどうをライバル視しているルシアナは、素直にオリーブオイルを使う気にはなれなかった。
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