眠れぬ夜は、優しすぎる刑事の腕の中で。
静かに部屋に入ると、ゲーム動画を流していたタブレットの音が、花音の訪問に気づいた悠真の手で止まった。

はじめは視線を合わせなかったが、花音が同じ目線の高さにしゃがみ、言葉を選びながら話しかける。

「悠真くん。ちょっとだけ、今のお話、聞かせてもらってもいい?」

「……何話せばいいの」

「最近、何がイヤとか、何がホッとするとか。そういうこと、何でも」

少しの間のあと、ぽつりとつぶやく。

「……夜、ママがずっと起きてると……夢見てるみたいに怖くなる」

その言葉に、花音は静かにうなずく。
そして何も否定せず、ただ「話してくれてありがとう」とだけ言った。
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