眠れぬ夜は、優しすぎる刑事の腕の中で。
花音は軽く息をついて、優しく声をかける。

「夜泣き……悠真くんにとっても、香澄さんにとってもつらいですね。夜中に何度も起きるのは、体も心も休まりませんよね。」

香澄は俯きながら、ぽつりと答えた。

「そうなんです。もう何ヶ月も続いていて……どうしていいかわからなくて。」

花音はメモ帳を取り出しながら、問いかける。

「夜泣きが始まるのは、いつ頃からですか?何かきっかけや変化はありましたか?」

香澄は考え込んでから、ぼそりと答える。

「学校のこともあると思います。悠真、落ち着きがなくて、先生ともトラブルがあって……それで学校がつらくなったみたいです。」

花音はうなずく。

「そうでしたか。学校でのことが家庭に影響することも多いですからね。香澄さんは、眠れない夜、どんなことを考えていますか?」

香澄の目に涙がにじむ。

「子どものことが心配で……私がしっかりしなきゃって思うのに、全然うまくいかなくて。」

花音はしっかりと香澄の手を取り、落ち着いた声で言う。

「一人で抱え込まなくていいんですよ。私たちがいますから。これから少しずつ、一緒にできることを考えていきましょう。」

香澄は花音の言葉に少しだけ頷いた。

「ありがとうございます……そう言ってもらえると、少し気が楽になります。」

花音は微笑みながら、気持ちを切り替えた。

「今日はゆっくり話せてよかったです。次回もまたお話しましょうね。」
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