眠れぬ夜は、優しすぎる刑事の腕の中で。
悠真は家から200メートルほど離れた、公園の古い遊具の中に、小さく丸まって座っていた。

膝をぎゅっと抱え、頭を少し下げる。
冷たい風が顔を撫でるけれど、震えは止まらない。

彼の小さな背中は、誰にも気づかれず、ただ静かに揺れていた。

喉が乾いて、ゆっくりと遊具の外に出る。

近くの水飲み場へ歩き寄り、両手ですくった冷たい水をゆっくりと口に含んだ。

その水は、砂埃と不安で乾いた体を、ほんの少しだけ落ち着かせてくれた。

けれど、目の奥に消えない怖さが残る。
お母さんは? どうして動かないの?
心の中がぐちゃぐちゃに渦巻いて、答えのない問いがこだました。
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