眠れぬ夜は、優しすぎる刑事の腕の中で。
花音の返事を聞くと、匠はふっと笑い、手を伸ばして彼女の腰に回した。

「じゃあ、続き、ベッドでしようか」

花音の心臓が大きく跳ねた。
少し震えながらも、素直に頷く。

匠はゆっくりと立ち上がり、手を引いて寝室と導く。
二人の距離はまったく離れず、唇は何度も触れ合う。

ベッドの縁に腰を下ろすと、匠は花音を引き寄せる。
その手のぬくもりが花音の背中を撫で、体を密着させていく。

「大事にするから、花音」

花音の頬は熱く、息が乱れ始める。
匠の指先が髪をかき分け、首筋にそっと触れるたびに、体の芯から甘い震えが走った。

唇が再び重なり、キスは優しく丁寧に、ゆっくりと時間をかけて重ねられていく。
お互いの呼吸が混ざり合い、吐息がそっと漏れる。

匠はゆっくりと花音の手を取り、体の上に導く。
そのままそっと握りしめ、優しく愛おしむように撫でる。

花音は自然と目を閉じ、匠の胸に顔をうずめた。
「たくみ……」
震える声が囁かれる。

「俺も、ずっと君のこと考えてた」
匠はささやき、指先で花音の背中をなぞった。
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