リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜
───!
正直なところ、それは当たらずとも遠からずで、胡兎からレッスンルームで画像を見せてもらった時から…、
いや、違う。
年末のテレビ局のエスカレーター下で見た、あの大きなドラマの番宣用看板。
あの看板を見た時から、多分私は麗斗君の事を、少しずつ、少しずつ、次第に気になる存在として自分の中で意識するようになっていった。
それは認めざるを得ない。
「お店の人、呼ぼう。」
雫が店の呼び鈴を鳴らすと、そこは中に通じるチャイムになっていて、すぐに店のウェイターさんがドアを開けてくれる。
中に通されると、やっぱりそこも凄くお洒落な空間で、私はちょっとばかり気後れしてしまう。
予約を取ってある個室の前まで案内されると、雫はもうみんな揃ってるよ、という意図を声には出さず、私と胡兎に対してにこやかにアイコンタクトを取る。