リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜
「そう?でもメニュー表はここにあるからいつでも言ってね。」
あくまでスマートに気遣ってくれる淳平君は、さぞかしモテているんだろうなって思う。
でもこういうモテるタイプの男の子こそ、私が苦手とする相手だった。
寮の雫の部屋で、初めて顔を合わせた和哉君に対してはさほど緊張しなかったのは、女三人と男一人っていう状況もあるけど、あの和哉君の体育会系で飾らない性格だからっていうのもある。
「オレ達三人とも、いつも朱理ちゃん司会の番組、見てるんだよ。」
淳平君は楽しそうに、それでいて私をたてようとしてくれる。
「あ、ありがとうございます…。」
いつも見てる、と言われて決して悪い気はしないものの照れ臭くて、まだまだ私はぎこちなさが取れない。
「それからその敬語は外してよ〜。オレ達みんなタメなんだからさ。」
淳平君のそのセリフに、あれ?今言われた言葉のニュアンスって聞いた事があるような無いような…。
…って、それいつも聞いてるんじゃなくて、私が言ってるやつだって気づく。