リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜
…なんなんだろう!?多分、淳平君、この人は相当チャラい。
確かに私の左目のことは、散々いろんな人から言われてきたし、なんなら綺麗だっていう趣旨で褒められる。
それでも、こういう言い方をされると、私はあからさまな下心を感じてなんだか警戒してしまう。
「あ、もちろん右目も綺麗だけどね。」
トドメだった。
私が何も言えずにあ然としていると、そこに席を立っていた胡兎がトイレから帰ってきた。
場の空気を読むように、淳平君は胡兎に爽やかな笑顔で“おかえり”を言い、先程店のウェイターさんが胡兎の取り皿を片付けていった為、無くなっている事に気づき、テーブルの隅にあった新しい取り皿を差し出す。
この気配り具合に、胡兎はとにかく浮かれている様子で、彼に本気になるのは本当に止めておいた方がいい、と心の中で忠告する私だった。