リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜




話題はお互いのグループの話になって、この時、本当に久し振りに淳平君が透君に話を振った。




「そういえば、透は真鵺ちゃんのファンなんだよな?」




突然そう問われた透君は、なぜか体ごと淳平君の方を向き、何度も首を縦に振って肯定する。




「うん!…そうそう!そうそう!」




この時初めて透君が、周囲に良く聞こえるレベルの声の大きさで喋ったかもしれない。



けれどやっぱりそれは、どこか大袈裟で不自然に感じる。





……私は透君の持つドリンクのグラスがほんの僅かに、小刻みに震えているように見えた。




気のせいだろうか……?





「ごめんなさい。…誘ったんだけど、今日は真鵺はどうしても仕事があるから来れなかったの〜!」






プライベートの集まりに胡兎が真鵺を誘うなんてまず考えられない…にも関わらず、媚びたような声でこんな事を言い出す胡兎に私はついイラッとする。



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