リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜




雫はちょっと困ったように笑っていたけど、まったく怒る素振りはなく、あぁ、これはいつもの和哉君の冗談で本気でそう思っているわけじゃないって理解している。



信じているんだなぁ…って思った。




二人の絆の固さを見せつけられているようで、私はまたちょっと複雑になる。







この時の淳平君も和哉君のボヤきに笑ってはいたけれど、その目の奥までは決して笑ってはいない、もう、この事には触れないで欲しい、なぜかそう訴えているような気がして、また私は話題を変える発言をして、とにかく空気を読んだ。










────ここに来てからだいぶ時間が経ってそろそろこの会もお開きの流れになった。




ここでも淳平君はどこまでもスマートにカッコ良く、お会計は自分達に任せて欲しい、と申し出る。




私はそれじゃ悪いからって、フリじゃなく本当にそう思って財布を出して牽制したけど、結局押し切られて男の子達に全額負担させるハメになってしまった。


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