リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜




私のソロ撮影が終わる頃には、なんとか都合をつけてくれた新しいヘアメイクさんがスタジオに到着した。




急ピッチで次に控えるメンバー全員での撮影の為のヘアメイクが進んでいく。




新しいヘアメイクさんやスタッフさん全員の頑張りのおかげで、この日の撮影はなんとか予定通りの時間に終える事が出来そうだ。









「あ〜、…そこの二人、笑顔で寄り添ってみて?」




監督が指示を出した二人は胡兎と寧音だった。




二人はためらう事なく言われた通りに笑顔を作り、お互いに寄り添い合う。




普段は険悪でも仕事では決してそれを表に出す事は無い。




特に、一方的に胡兎と雫に反抗的な態度を向けている寧音は、そういう部分を外部の人に一切悟られるような真似はしない。




同じグループに所属するメンバーでありながら年下の寧音に対してこういう時は流石だなぁ、って思う。



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