リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜





「雫ちゃん、そのポーズいいね!」




監督の言葉に応えるように、嬉しそうな笑顔を見せる雫。




専属モデルの仕事を与えられてからは、より美容に力を入れて頑張っている様子で、それはもちろん望ましい事ではあるのだけど…。







「でも、真鵺ちゃんの後ろからは動かないで!」






現実は手厳しい。





雫の笑顔が曇り、その瞳に影が差す。





けれどもすぐに監督の意図を理解して、言われた通りに真鵺の後ろにポジションをずらす。







グループが結成されたばかりの頃、柊子さんは私達に言った。





“グループだから仲良くありたいって思うでしょ?それは良いことだけど悪いことでもあるの。あなた達の仕事は競い合うことでしか得られない成長の糧がある。それを見つけて自分のものにした時、初めて仲の良いグループとして成立するの。”



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