リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜
今の私達はどうだろう?
“だから私は無理にあなた達に仲良くしなさい、友達になりなさい、とは言わない。五人が個人的にどういう人間関係を構築するかは、それぞれに任せます。”
競い合うことで成長していくっていう関係には、まだなれていない。
リアライズが結成されて既に四年。
本当のところを言うと今の私は、グループに対する考えに関して柊子さんとは、少し違う───。
「一度休憩しようか!」
みんなの集中力が欠けてきて、少しダレた空気になったところで監督がそう声を上げた。
撮影現場の隅には折りたたみ式のロッキングチェアーとパイプ椅子が用意されていて、私はスタッフさんから受け取ったペットボトルの常温の水を一口飲んで、パイプ椅子の方に腰掛ける。