リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜
“朱理、リアライズのリーダーになってくれない?”
グループの結成当時、柊子さんからそう打診された十六歳の私は、歌とダンスのレッスンについていくだけでいっぱいいっぱいで、自分がリーダーに、なんてまったく考えられなかった。
あの時、私のそばには他メンバーでただひとり真鵺が居て、この時もやっぱり真鵺はただ黙っているだけだった。
レッスンについていくのがやっとの私とは違い、もともと日舞やバレエを習っていて、ジャンルこそ違うものの難なくダンスをこなす真鵺。
その上、圧倒的な美貌まで持っているというのに、なぜ私なのか、と疑問でしかなかった。
ただひとつ考えられるのは、ただ単に、事務所に入所したのはメンバーの中で私が一番最初だったから。