リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜




私がリーダーの話を自信が無い、と断ると、柊子さんは残念そうに了解して、私と真鵺を残してその場から去っていってしまった。




柊子さんを、失望させてしまったと思った。





相変わらず沈黙を続ける真鵺に、私は正直イライラしていた。






別に、“自分が代わりにリーダーになります!”って言って欲しい、とまでは思わない。




だけど、何か一言でもいい。




真鵺から私に声をかけて欲しかった。







もっとも、当時の私はグループにおける、リーダーとエースの違いを良くわかっていなくて…というか、そういう概念自体持っていなくて、本当にただひたすらデビューに向けてレッスンに打ち込む事しか出来なかった。



それに言い方は悪いかもしれないけれど、真鵺がこんなにもコミュ力が低い子だとは知らなくて。






「真鵺さん、そろそろ時間です!」





この時、事務所のスタッフが次の仕事のスケジュールが迫っている真鵺を呼び出しにやって来た。




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