リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜
「でもね、真鵺の頑張りがグループの飛躍を後押ししてくれてるんだよ?寂しい時は私だってなるべく話を聞くから…ね?」
「………うん。」
寧音はわかってくれたようで、少しの沈黙の後、小さく頷いた。
「でもさ、真鵺ももう少しみんなと自分から距離を縮めて欲しいんだけどな…。」
私は溜め息をついて、ついぼやいてしまった。
すると寧音は掴んでいた私の腕をゆっくり離す。
私から完全に腕を離した時、至近距離で横から見た寧音の顔は、驚くほど暗い表情をしていて、私は戸惑った。
今、もしかして何かマズい事を言ってしまった…?
それとも多忙な真鵺と一緒に居れなくなることを、やっぱり寂しく思っているんだろうか?
「私、明日の仕事のスケジュール早いんだった!ごめんね、朱理。今日は早めに帰るね。」