リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜
だけど、急にまた笑顔を取り戻す、というか取り繕うと明るい声でそう言って寧音はスタジオから出ていった。
雫はいつの間にか控え室から自分のコートやバッグを持ってきていたようで、帰宅準備万端の姿だった。
「二人ともお疲れ様。私も急いでるから…。」
そう言ってまだ残っているスタッフさん達にひと通り会釈してからスタジオを出ていった。
残された私と胡兎は休憩時間に貰った水の残りを飲んだりしながらゆっくりと控え室に戻る。
「ねぇ、朱理。」
「ん、何?」
「私がさっきセンターは朱理がいいって言った事、別に真鵺に対する当てつけっていうわけじゃないよ。」
またセンターの話をぶり返すのか…。
「今日はその話はもういいよ。疲れてるし。」