リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜
また携帯?…とか思っていると、今探っていた手をグーにして私の前に突き出す。
「ほら、手を出して!コレ持ってきたからあげる〜。」
言われたとおり私が手のひらを出すと、胡兎の手からそこにポトンとひとつ、飴玉が落ちてきた。
「あ、コレはいつもの事務所のやつ。」
「それ生姜入ってるから喉だけじゃなく保温効果もあるってさ〜。だから寒がりにはマスト。」
胡兎がくれたのは事務所で愛用している高級のど飴だった。
高瀬社長が今の事務所の前に居た大手のところで、その時担当マネージャーをしていた大御所の演歌歌手の人が気に入ってよく購入してたんだとか。
確かによくのどに効くし、レコーディングの時には必ず用意されている。
「ありがと。珍しく気が利くじゃん。」