リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜





都内の深夜営業しているお店の中でも、特に私のお気に入りだったところを柊子さんはちゃんと予約してくれていて、いつものことながらその心遣いに、仕事終わりの私の気持ちもほぐれていった。






静かで落ち着いた個室の中。





軽めのお酒で乾杯して、注文した料理を待ちながら、今日の放送のことや、来週のメンバーのゲスト出演の件をお通しをつつきながら喋る。






「朱理、今日はね、私からどうしても言っておきたいことがあって。」





ふと会話が止まった瞬間、唐突にそう切り出す柊子さん。





言葉だけだとお説教の始まりかと思うところ。




だけど、その表情も口調もいつになく穏やかで、今日はそういう話じゃない、ってわかる。






「なぁに?仕事のこと?それとも私生活のこと?」





だけどその話の中身の見当まではつかなかった。



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