リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜
「朱理や他のみんなにもね、そろそろ誤解を解いておきたいなって思ってて……あのね、あなた達は、建前じゃなく、恋愛は禁止ではないの。」
正直に言って拍子抜けだった。
「えぇ…?そんなこと?」
思わず苦笑してそう聞き返す私に、柊子さんは大真面目な顔で怒ったように言う。
「お願い、真剣に聞いて。」
「…ハイ。」
滅多に本気で怒ることが無い柊子さんだけに、まさかの仕事の件ではなく、恋愛っていうワードでこんなシリアスな空気に持ち込まれるとは。
「ホントのところはね、確かにデビューしたばかりの頃はみんな未成年だったし、当分の間は恋愛は我慢して仕事だけに打ち込んで欲しいっていうのが本音だった。」
「うん。」
「でもあなた達はデビューしてもう四年…今年は五年目を迎える。いつまで経っても事務所の都合の良いように縛り付けておくことはできないって私は、…それから高瀬社長もちゃんと分かってるの。」