リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜
そんなに心配かけさせているのかと思うと、自分が恥ずかしい、心底情けないという気持ちでやりきれなくなった…。
「あの、ゴメン柊子さん。…私、ちゃんと恋愛できるくらいには、大人になりたいって思ってはいるんだけど…。」
しどろもどろな口調になってしまう私を気遣うように柊子さんはフォローを入れる。
「朱理は大人の振る舞いができる子だし、私の事だってよく気遣ってくれてるじゃない。」
…正直、ほっとした。
少なくとも柊子さんは私をしょうもない子供として心配してるわけじゃない。
でも、それならなんでわざわざこんな風に改まって向き合う必要があるんだろうか?
こんなにも恋愛する事を勧める理由が、どうしても私にはわからなかった。