リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜




すると店員さんは私に笑顔を向け、優しい口調で答えた。





「こちらは当店から、是非。いつもお世話になっておりますので。」






「え、…あ、ありがとうございます…。」





私は芸能人をやっている割にはこういったサービスを受ける機会がこれまでほとんど無かった為、ついギクシャクした反応を返してしまう。






伝票付きのスタンドをテーブルに添え、お盆を抱え直すと、店員さんはお辞儀をして個室を出て行った。





「ねぇ!柊子さん。お店から私達にって。びっくりなんだけど。嬉しいけど、ちょっと気が引けるかも。そんなに頻繁にここに通ってるわけでもないのに…。」





私が興奮気味に喋ると、予想外の言葉が柊子さんから返ってくる。






「朱理、“お世話になってる”って私達の事じゃないわよ?」



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