リアライズの殺人〜私は不仲のアイドルグループメンバーです。〜
「ウフフ…このジュレはね、高瀬さんも大好きなメニューなのよ。」
柊子さんはまたもや嬉しそうに、…というよりはなんだか意味深に笑ってそう呟く。
私はいつも思っている事がある。
柊子さんは高瀬社長の事を話す時、度々こんな感じで何か思惑があって、それを隠すような態度を見せる。
それが一体何なのか、私はいまだに聞けずにいるのだった。
それは、もしかして“オトナの関係”があるのかもしれない。
そう思っていたから。
でも……。
「ねぇ、柊子さん。高瀬社長ともこのお店に来たこと、…あるの?」
私だってもう二十歳なんだし、何よりたった今、めでたく恋愛OKのお達しを受けたわけなんだから、このくらいは聞いたっていいと思うんだけど…。